会社経歴
モノプロは羽生道雄が金属洋食器・刃物などの生活用品をデザインした経験に基づき研究発表した論文「異業種の
グループ化」(1969年)の呼びかけに、生産企業が参加する形で発足しました。これは後に通商産業省の中小企業育成の
一つのモデルケースとなりました。即ち「異業種の協業化」の先例です。
その業務は企業の経営状況把握から始まり、経営戦略の提案・商品開発及びデザイン計画・商品デザイン(プロダクト
デザイン)・包装デザイン(パッケージデザイン)・宣伝関係デザイン(グラフィックデザイン)・必要によっては企業戦略に
おけるCIデザイン(企業イメージ創り・マークデザイン等)など、中小企業におけるデザインの統合化戦略をめざして
います(以下文中敬称は省略)。
1972年09月
デザイナー・陶磁器会社・硝子会社・刃物会社・金属会社・木工会社の共同出資によるわが国ではじめての「異業種
グループ」のためのソフト制作会社「モノプロ工芸株式会社」を東京・南青山に設立。
1972年10月
スーパーマーケットの依頼によるトータルコーディネートデザインをテーマとした、テーブルウェア・キッチンウェア・
バストイレタリー・ファニチャー・インテリアファブリックなどの総合企画デザインを制作。
1973年02月
モノプロ工芸株式会社自主開発商品、トータルコーディネートテーブルウェア「日本人の日常食器」を発表。
1973年05月
「日本人の日常食器」による売り場の在り方について、トータルコーディネートの実務提案を行う。
1973年06月
業務拡大にともない東京・日本橋に移転。
1973年10月
前記活動が通商産業省中小企業庁の制作TV番組で、30分のドキュメンタリーフイルムとして全国ネットで紹介される。
1974年02月
生産企業と小売業と生活者が互いに理解を深めるための“国内工場見学と話し合いの会”を前後6回にわたり主催。
1974年06月
前記企画参加者の希望で「ヨーロッパの生活とモノ造り」を学習するツアーを、主に北欧を中心に主催。
1974年08月
音響機器会社パイオニアのための「これからのステレオは如何にあるべきか」企画提案。
1974年10月
スイス・チューリッヒとバーゼルのグローバス百貨店に「モノプロコーナー」開設。
1975年06月
自主開発商品「都市生活者のための食器」を発表。
1975年07月
通商産業省・日本産業デザイン振興会及び都道府県の依頼により「中小企業育成セミナー」「消費者セミナー」に
役員を講師として派遣。以後毎年継続される。
1976年01月
モノプロの活動が評価され生産企業及び小売企業より、生活用品の企画・開発・デザインの依頼が多くなる。
これに対処するため依頼デザイン担当部「モノプロデザイナーズ」発足。
1977年01月
1976年度デザイン活動に対しプロフェッショナルデザイナーに与えられる国内の最高賞「毎日産業デザイン賞」を
受賞する(今日の「毎日デザイン賞」)。
1978年08月
デザイン活動充実のため東京郊外の向ヶ丘遊園にデザインスタジオを建設。本社を含む全ての機能を移転。
1979年08月
新潟県燕市の吉川グループと共同開発したオープンキッチンのためのキッチンウェア「クックパルシリーズ」を発表。
1979年度日本デザインコミッティ主催デザインフォーラム展で「銀賞」受賞。
1980年02月
ドイツ・フランクフルトメッセに日本政府選定品として、政府ブースに「クックパルシリーズ」78品目を出展し好評を
得る。同商品14品目が通商産業省選定グッドデザイン商品(Gマーク)に選ばれる。
1981年03月
通商産業省委託業務で地方産業開発推進事業「九谷は生まれ変る」を発表。
1982年05月
株式会社曽南と共同開発した日常の中の非日常の食器「あるぶる」を発表。
1983年02月フクバ工業株式会社の依頼により小型掃除機「フクバスイーパー」をデザイン。
1983年03月
DIY欧州視察団に対し、マドリッドにおいて「これからのDIY」と題し講演。この年から本格的なDIYのデザインを始める。
1983年08月
タムロン株式会社の依頼により一眼レフカメラのための「ズーム交換レンズ」をデザイン。
1983年08月
株式会社高儀の依頼によるDIYコンセプト女性のための道具「ネオテリック」をデザイン。シカゴ・東京・ケルンで発表。
1984年03月
日本酒造組合中央会委託業務/日本酒需要拡大のための研究で「立食パーティーのためのグラス他3種の日本酒のための
グラス」をデザイン。
1984年10月
通産省選定グットデザイン特別賞に「ネオテリック」が選定される。
1985年03月
YKK吉田工業株式会社の依頼による多目的カーポート「ナビ」をデザイン。
1986年08月
ニューヨーク近代美術館永久保存として「モノプロの黒の洋食器」が選定される。
1987年09月
東洋鋼鈑株式会社の依頼による収納システムとしての物置庫「コクーン(仮名)」をデザイン。
1987年10月
YKK吉田工業株式会社の依頼によるエクステリア「ハイセンスシリーズ」をデザイン。
1987年10月
シンワ測定株式会社の依頼による室内環境測定群「セムシリーズ」をデザイン。同商品2品目がGマーク選定。
1988年06月
デンカポリマー株式会社の依頼による「モジュールシステムによる精肉・鮮魚用、店頭販売包装容器」をデザイン。
業界に多大な影響を与える。
1988年11月
清角コーポレーションの依頼によるビジネスマンのためのバッグ「ゼベディシリーズ」をデザイン。
1988年12月
女性のためのDIY道具「ネオテリック」がニューヨーク近代美術館のクリスマスギフトに選ばれる。
1989年01月
YKK吉田工業株式会社の依頼によるコンピューター作図器「XYプロッター」をデザイン。
1989年01月
北陽産業株式会社の依頼による「塩ビ管カッター」をデザイン。Gマーク選定。大阪DIYショー金賞受賞。
1989年03月
株式会社大直の依頼による和紙紙幣包み「寿WASHI」をデザイン。銀座松屋にて個展。
1989年05月
シンワ測定株式会社の依頼による「SEMシリーズ温度計」をデザイン。Gマーク選定。
1989年12月
株式会社高儀の依頼による工具「ニューハンディワークシリーズ」をデザイン。
1990年08月
株式会社高儀の依頼による「シャープソー」をデザイン。1990 USAシカゴ・インターナショナルハードウエアー
ショーブルーリボン賞受賞。
1992年09月
YKK吉田工業株式会社の依頼によるアルミ建材「ニューベーシックシリーズ・マティエ」をデザイン。
1992年11月
株式会社台和の依頼によるマグネットボックスシリーズ「PIO」をデザイン。
1994年10月
北陽産業株式会社の依頼による「アルミモーターレンチ」をデザイン。Gマーク選定。
1996年11月
三重北勢地域地場産業振興センターの依頼による照明器具「ファイン セラミック・セラモシリーズ」をデザイン。
1997年11月
北陽産業株式会社の依頼による「アルミタテ型モーターレンチ」をデザイン。インテグラルデザイニングシステムズ
(IDS)デザインコンペディション大賞受賞。
1997年11月
神奈川県川崎市市民局の依頼による「かわさきマイスター シンボルマーク」をデザイン。
1998年07月
神奈川県川崎市中原区役所の依頼による「区の花 シンボルマーク」をデザイン。
1993年03月〜株式会社セブンーイレブン・ジャパンにおけるグラフィック・パッケージデザインを継続中。
社主履歴
羽生道雄 (はにゅう みちお Michio Hanyu)
デザインプロデューサー・プロダクトデザイナー
モノプロ工芸株式会社 設立(1972) 社主
モノプロデザイナーズ 併設(1975)
東北芸術工科大学 デザイン工学部 名誉教授
所属
公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会 会員(1971〜) 名誉会員(2013〜15)
公務
通商産業省:グッドデザイン商品選定審査委員(1979〜81/1991〜93)、雑貨部門審査委員長(1981)
通商産業省日本産業デザイン振興会:地方産業デザイン開発推進事業専門委員(1979〜81)
中小企業大学校:技術研修及経営研修専門委員、講師(1979〜)
日本貿易振会:対インドネシア・インド・タイ貿易振興指導事業派遣専門家(1986〜94)
国連事業・国際協力事業団:コロンボ計画対外援助事業 大韓民国デザイン指導事業派遣専門家(1986)
大韓民国政府:韓国デザインセンター招聘 デザイン指導事業専門家(1987〜89)
日本生産性本部:アジア諸国・ポーランド・チェコソロバキア マーケティングデザインセミナー講師(1989〜)
海外技術者研修協会:対アジア諸国技術者研修 講師(1990〜)
学校法人桑沢学園(東京造形大学・桑沢デザイン研究所)理事(1988〜91)
技術アドバイザー:秋田県(1988〜) 岩手県(1992〜) 鹿児島市(1989〜)
学歴
1956年03月 学校法人桑沢デザイン研究所 研究科卒業
職歴
1953年04月 日響電機工業株式会社入社設計部勤務
1956年04月 桑沢デザイン研究所助手を経て専任講師
1966年04月 羽生道雄デザイン研究室設立 発展的解消
1972年09月 モノプロ工芸株式会社 モノプロデザイナーズ設立 現在に至る
著作
1969年 ナイフのデザイン 工芸ニュース
1969年 サンクラフトが生まれる条件 JETROジャパンデザインハウス
1970年 暮らしのデザイン「ナイフ」 毎日新聞
1970年 輸出金属洋食器の企業とデザイン ツバメジャーナル
1970年 70年代の社会動向とデザインの動向 ツバメジャーナル
1971年 欧州中小企業の経営と物造りについて長期現地調査(デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ノルウェー等)
トレードタイムス社発行デザインアンドインダストリ誌 連載「中小企業世界と日本」
1971年 草柳大蔵氏対談 家庭用品との対話 週刊言論
1971年 家庭文化欄「生活の道具」東京・共同通信社等に執筆(1971〜)
1972年 デン・パーマネント(デンマーク 中小企業振興機関)FD中小企業デザイン機構
1987年 日本出版サービス発行「工業デザイン全集」共著
1990年 財団法人 工芸財団「日本の近代デザイン運動史」共著 その他
研究
1981年 LINKSYSTEM TABLEWARE 通商産業省+日本産業デザイン振興会委託研究・共
成果を九谷地区陶磁器活性化に応用
論文
1988年 商品開発における企画デザイン研修マニュアル 中小企業事業団中小企業大学校・共
活動
1953年 日響電機在職中に南極調査船「宗谷」通信システム および国産初の「脳波測定器」NHK ・TV放送器機
東芝 コンピューター等の設計に参加
1961年 東芝コンピューター「TOSBAC」シリーズデザインに参加
1962年 富士急「国際型観光バス」デザインに参加
1966年 岐阜県関市の刃物のデザインをはじめる
1968年 那須御用邸地区 乗馬クラブ「エクダム」施設リゾート計画及びデザイン実施
1971年 欧州中小企業の経営と物造りについて調査研究のための渡欧
1972年 デザイナー・陶磁器会社・硝子会社・刃物会社・金属会社・木工会社の共同出資にてわが国ではじめての
”異業種グループ”のためのソフト制作会社 モノプロデザイナーズ・モノプロ工芸株式会社を東京・南青山に
設立現在に至る
主な受賞
1965年 放送批評家連盟ギャラクシー賞 短波放送海外向け番組企画(個人)
1976年 毎日産業デザイン賞(毎日デザイン賞)異業種企業交流のデザイン(法人)
1979年 日本デザインコミッティーデザインフォーラム銀賞 新潟県燕市のキッチンウエアーのデザイン(法人)
1980年 広告主協会 消費者が選ぶ雑誌広告賞 新潟県燕市のキッチンウェアの雑誌広告デザイン(法人)
1986年 通産省選定グッドデザイン特別賞 新潟県三条市の工具デザイン(法人)
1986年 ニューヨーク近代美術館永久保存 燕市の洋食器デザイン(個人)
1988年 国井喜太郎産業工芸賞 地域産業貢献に対して(個人)
1990年 USAシカゴインターナショナルハードウエアーショー ブルーリボン賞受賞 DIYツールデザインに対し(法人)
1969年〜通産省選定グッド・デザイン 選定商品合計130余点(1991年度まで)
スタッフ
羽生 亜土(はにゅう あど Ado Hanyu)
代表取締役社長 グラフィック・パッケージ・プロダクトデザイン・HP担当
小林 和泉(こばやし いずみ Izumi Kobayashi)
グラフィック・パッケージデザイン・プロダクトデザイン担当
福田 弘(ふくだ ひろし Hiroshi Fukuda)
プロダクトデザイナー
伊奈 孝郎(いな たかお Takao Ina)
プロダクトデザイナー
古澤 幹生(ふるさわ みきお Mikio Furusawa)
インテリアデザイナー